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備忘録/ Memorandum

【2016春その1:果物たちのカタチ】

*画像は拡大できます。
2月も中旬になると街中の青果店やスーパーマーケットに大粒のイチゴがたくさん並び出します。
スペイン語でイチゴはfresaと辞書に載っていますが、この季節の最初に見かける大粒のイチゴはfresónと言います。大きさ(fresónが大きい)、味(fresónが少し酸っぱい)、植物学的な違いの3つをあげているサイトを見つけました。El Portal de la Fruta.comどちらも同じオランダイチゴ属で小さめのfresaはvescaという種類で和名をエゾヘビイチゴ?と言うそうです。ヘビイチゴは野山に咲いている印象ですが英名はワイルドストロベリー。これは私も聞いたことがあります。
スペインに来てから果物の素朴な魅力に気が付きました。どちらかというと好みは果物よりもアイスクリーム、普段何種類も果物を買うようなことはほとんどありませんでした。身近に感じる理由としてこちらの一般的な青果物の価格の安さがまず第一にあると思います。スペイン、フランスあたりは基本的には農業国。欧州の南に位置するスペインの果物のみずみずしさはオランダなど北で買うそれとは糖度が多少違うように感じましたし、実際フランス、オランダでもスペイン産の果物はよく見かけます。夫は出張でオランダに1か月近く滞在しましたが、同居したドイツ人の同僚は果物の味に大変不満だったそうです。


  

日本のスーパーマーケットに行くたびに、青果物の価格に改めて驚きます。価格もさることながら気軽に買いたいということと、いつからか野菜も果物も甘さ一辺倒で酸っぱいものが少なくなったように思います。
こちらでは大抵のスーパーマーケットでりんご一つでも自分で秤に乗せて買うことができますし、街角の青果店でもグラム単位、個数で気軽に買えます。日本は大抵ビニール袋入りの形の整ったものが整然と並んでいます。果物や野菜がかしこまっている感じです。東京の千疋屋に売っているような美味しくて豪華なものがあってももちろんいいと思いますが、普段食べるものは形がいびつでも、袋に入った決まった個数でなくて好きなように買えたらいいのに、と思います。
写真はマドリードで1943年から3世代にわたり営業している青果店です。この季節はいろんなベリー類、そしてホワイトアスパラガスの立派なものが並んでいました。スペイン王家御用達でもあるそうです。お店のウェブサイトのリンクのインタビュー記事は古いので、この時の王はJuan Carlos前王のことでしょう。スペインは秋になると見たこともないキノコがたくさん並びます。このお店は高級店が並ぶ立地にありますので、付近を散策の際は是非探してみてください。
Frutas Vázquez Calle Ayara 11, Madrid
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