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備忘録/ Memorandum

【Galicia地方の入り口】

*画像は拡大できます。
また旅の文章です。11月の祝日に初めてガリシアという地方に行ってきました。マドリードがスペインの真ん中に位置するとはいえ、さすがにガリシアは遠い、今回はこの地方の入り口のLugo:ルゴ、Orense:オレンセという町です。巡礼で有名なサンティアゴ・デ・コンポステーラはまだ遠く、大西洋を臨む町はさらに遠いのです。鉄道がそれほど早い訳でもなく、主要な場所へは飛行機の方が便利なのでしょうが、途中の街へ行くにはやはり陸路です。と言うわけで、電車の時間帯もあまりよくなかったため、諦めて夜行バスでルゴに朝7時前に到着しました。真っ暗で霧雨が降っていました。バスターミナルの横にぼんやりと灯りが。ここで何か飲もうと思って入りましが、有名なタコ料理のバルでした。ルゴの旧市街は鉄平石を重ねたような城壁に囲まれた町ですが、それを真似た壁と、大きなワイン樽を利用したモダンな店で、帰る日のお昼に行ってみると大勢の人!超人気店のようでした。
ルゴの町から20キロ弱の村に、ごく最近発見されたフレスコ画の描かれた場所があることをロマネスクの講座で知りました。夏のカンタブリア行きの前に寄る計画をしてみたのですが、諸々の事情で断念し満を持しての今回、なんと無期限で9月中旬から閉まっていることを知りました。警備員の定年退職とそれに伴う休暇の消化で、新規人員の予算の目処がたっていないとのこと。なんともスペイン的な理由と、現状にかなりがっかりしました。




ルゴに到着してすぐにオレンセに移動しました。電車で1.5時間くらいの距離です。オレンセにあるカテドラルは、色鮮やかな彫刻をあしらった天国の門という名の門があります。これも愛でたかったもののひとつ、それと旧市街のはずれのロマネスクの回廊がある教会です。とても良かったのがBelénという、クリスマス時期に飾る人形で、キリストの誕生を表現したものが欧州各地にあるのですが、それらを小さな礼拝堂を改修して展示していました。作者はArturo Baltar、このあたりの風景を表現しているそうです。人形や建物は繊細且つ表現豊かで、いつまでも眺めていられる作品でした。それと忘れてならないのは、オレンセは温泉の町。旧市街の一角に公衆浴場があるのです。お湯も40℃くらいはありそうでしたし、温泉臭がしました。屋根のないプールのような場所に浸かる人々。まさに映画のテルマエ・ロマエです。川沿いにも温泉があり、こちらは露天風呂でした。翌日はルゴに移動。事前に調べたルゴの観光のウェブサイトは良いページがなく、オレンセのそれの方がしっかり作ってある感じでしたが、町を歩いてみるとルゴの方が旧市街に集まる小さなお店が色々楽しそうで、どちらの町もピンチョスの食べ歩きが魅力的でありました(お昼を食べ過ぎて、案内の地図を眺めるだけでした。残念)。地方へ行くと立派な美術・博物館の入場料が大抵無料なのですが、ルゴにも修道院を利用した立派な博物館が旧市街にありました。見応えがあります。ここの回廊に雑多に置かれた日時計の展示はとても可愛い。ルゴでもう一泊して翌日帰りましたが、今年の旅はこれで最後です。ルゴの城壁は整備して、上を歩けるようになっています。1周約2.2キロだそうです。
La Voz de Galiciaガリシア地方の新聞のBelénの記事です。