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備忘録/ Memorandum

【Sigüenza・シグエンサ】

*画像は拡大できます。
10月の初日に電車に乗ってSigüenza:シグエンサという町に行って来ました。シグエンサはカスティーリャ・ラ・マンチャという自治州に属し、マドリードからも比較的近く、ふらりと行くにはちょうど良い場所だと思いつつなかなか訪れることができずにいた場所です。備忘録のSoriaとCampisábarosも同じ自治州のGuadalajaraという県ですが、シグエンサからは距離もあります。ちょっと郊外の街に行くと感じるのんびりさはどこも同じに感じますが、知人のスペイン人は、スペインは50Kmごとに特徴が変わるから、と訳知り顔に言います。なるほど。どこに行っても新鮮です。
週末気軽に出かけるポイントは、日帰り可能、電車かバス利用、ロマネスク聖堂が町の近くにある、この3つなのですが、そろそろ場所選びも悩むところです。車で行きたい場所はたくさんあるのですが、レンタカーを借りて一人で行くのは費用も労力も要すること、鉄道が地方まで万全ではないのでバスがあるのですが、小さな街で降りるには本数が限られているので最近特に車で周りたいと思うようになりました。それはさておき、スペインのガイドブック等を読むとメセタ・meseta(台地)という単語や赤茶けた土地、のような形容を見ることがあるのですが、まさにこのあたりはそんな感じです。素焼きの植木鉢を砕いたようなゴツゴツした形状の地面があり、建物も赤茶けた石が混ざっています。




シグエンサ自体はとても小さな町でした。鉄道の駅から伸びる道をまっすぐ向かいます。街を見渡す小高い場所に城壁があり、現在お城はパラドール(ホテル)になっています。ちょうど行った日は何かのお祭りだったようで(何の祭りなのか聞くこともなかったのですが)飲食店の屋台、広場にステージが設けられ踊りと歌で賑わっていました。屋台で初めてMigasというものを食べてみました。今まで避けてきたものです。パンを細かくしてベーコンのような味のある豚肉と炒めてパンに味をしみ込ませたものです。紫の生のぶどうと一緒に盛り付けられ、白のワインを注文、味は...微妙でした。カテドラルを見て、街を散策し、お城まで登ると大体旧市街は歩いたかな?という感じです。スペインのどこの街にもあるPlaza Mayor(中央広場的な意)のテラスに座って、お茶を飲んで目の前のカテドラルの持ち送り彫刻を眺めました。鐘楼部分は2列になっていたり、小さなものが数多くあったように思います。
ここに来た目的がもう一つ。郊外の村の聖堂を一つ見に行こうと思っていました。候補は二つあったのですが、Saúcaという村へタクシーを頼みました。南西の方角にポーチ、柱廊があるのが特徴なのですが、これがもっと際立っているのがCarabiasというもう一つの候補地でした。ここから近隣のSegoviaにもある様式です。こういうこともあるんだな、と思ったのですが、私の見ていた写真と周りの風景に変化があり、柱や柱頭は多少修復もされていました。日曜だったのでミサが行われていたのですが、日本の選挙演説のように激しいもので、その勢いに圧倒されてそそくさと帰ってきたくらいです。タクシーの運転手さんから聞いたのですが、Saúcaに向かう途中の小さな集落を冬になると、ここは9人、ここは1人と、皆どこか別の場所で冬を過ごすそうです。もうすぐ冬がやってきます。