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備忘録/ Memorandum

【トレド・9つのbóvedas】

*画像は拡大できます。
例えば観光客でいつも賑わう場所とか、その土地に実際住んでみると自然と足が遠のく場所があると思います。東京タワー(今はスカイツリー?)や、京都の寺院などでしょうか。私もご多分に洩れず、言わずと知れたトレドにはスペインに来た当初一度だけ行き、疲れて(真夏でした)同行者もいたので気遣いもあり、街の半分も歩かず帰ってきてしまい、そのあまりの有名さと観光地化されすぎた感があるためか、せめてカテドラルを見にもう一度行こうか、という気持ちにならず数年経過。誰の言葉か知らないのですが、もしスペインに1日だけいるなら迷わずトレドに行け、とはいうものの、イベリア半島は降り立った場所によってだいぶ移動に差が出ます。その点マドリードは国内のいずれかの場所に行く分には便利です。ロマネスクの視点から見ておきたい場所も出てきていたので、5月のサン・イシドロの祝日近辺にさーっと行ってきました。
初めて行った時は高速鉄道のAveで行き、美しい駅舎を見たのですが、今回はいつものバス。往復で10ユーロくらいです。前日の夜に進撃の巨人のシーズン2を見ていました。トレドはエスカレーターで旧市街に登っていくのですが、まさに壁に囲まれた街というか、この中に巨人が!ということはないですね(ネタバレ?)。





トレドの街のイスラム教の影響は建物に色濃く出ているように思います。街の西側はユダヤ人街で、キリスト教も含めこの3つの文化が混ざりあっての特徴は数多あるガイド本にも書かれています。今回私が目指したのは、"Mezquita de Cristo de la Luz"というまさにイスラムのメスキータとキリスト教が混ざった小さな聖堂です。ここに9つの異なる形をしたbóveda:丸天井があります。最初は小さな礼拝堂だったようですが、のちにムデハル様式の後陣が付き、その組み合わせはとても見事です。ロマネスクのフレスコ画が残り、中庭はアンダルシア風の庭園、トレドの北側の景色も楽しめます。もう一つが、San Román教会と一緒になっているMuseo Concilioです。ムデハル様式の建物で、内部は小さな博物館にもなっており、奥の展示室から鐘楼へ登ることができます。アーチの形がイスラムの影響で特徴的な植物模様のもの、壁画は特に見応えがありました。展示品の有名な吊り下げる形の王冠はレプリカで、本物はマドリードの考古学博物館にあります。土曜日だったため、博物館等早めに閉館してしまい、自分の中の優先順位でまたしてもカテドラルには入れませんでしたが、もう一箇所見てみたい場所があるので、涼しくなってからまたふら〜っと行ってみようと思っています。


Toledo観光案内一部情報が古いですが(入場料等)写真がきれいなので参考まで。