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備忘録/ Memorandum

【Realista / 写実主義】

*画像は拡大できます。
前回の備忘録にスペインで音楽を聴いた私個人の感想について書きました。全体的に褒めている内容ではないので、なんとなく後ろめたさを感じつつ...でした。日本の標準が何においても細かいことは異常なくらい、と感じていても欧州は南下すると大雑把に拍車がかかるのは勿体無い...と思ってしまいます。でもこの混沌?の中にキラリと光るすごいものには常ににハッとさせられます。音楽についても感じましたが、ピカソやダリがスペインの型破りな天才ということは誰もが知るところでしょうが、エル・グレコやベラスケスの名と作品をなんとなく知っていても、私はこちらに来るまでホセ・デ・リベーラ:José de Riberaすら知りませんでした。バロック期のリベーラ、そして特に現代スペインの写実画家たちについては美術を勉強する人や絵画が好きな人でないと知る人は少ないのではないでしょうか。
2016年5月末まで、Madridのティッセン美術館で"Madrid Realists"という特別展が行われていました。近年活躍する写実主義画家を集めた展示で、そのうちのAntonio López Garcíaは現代スペインリアリズムの巨匠と言われる人物です。日本でも2013年に初の個展が行われたそうです。王宮の階段を上って最初の部屋に、前国王のJuan Carlos I世の家族の絵が飾られています。完成までに20年要したとのこと。彫刻家でもあります。




スペインにデッサンの勉強に来ていた日本人の女性画家と偶然知り合いになり、彼女からCristobal ToralとEduardo Naranjoといういずれも現代スペインの写実画家の名前を教えてもらいました。彼らの画集は数も少なく、希少本らしく、本の市や古書店で問い合わせをしてもなかなかお目にかかることはありません。最近はインターネットで古書店の在庫は探すことは可能ですが非常に高価です。画家の友人が過去にMadridでNaranjoの画集を破格で見つけたそうなのですが、同じくデッサンの勉強に来ていた仲間に先に買われてしまったそうで、私も興味があって彼らの画集を探し続けています。一度だけ大きな本の市でCristobal Toralの画集を見つけ、彼女に送ることができました。どのような作品なのか全く知らなかったので最初に画集を見た時は、その独特の世界に引き込まれました。今も何かしら本を探し続けています。
よく行く図書館に1冊だけあるToralの作品集にサインが入っていました。今後もスペインのRialistaは注視していきたいです。
王宮は写真撮影が不可なのですが、アトーチャ駅の入り口には彼の彫刻があります。


【追記】王宮にあるAntonio Lópezのロイヤルファミリーの絵のリンクを1 つ貼ります。
El ESPAÑOL