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備忘録/ Memorandum

【挨拶をしてほしい】

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"出羽の守・でわのかみ” という言葉。外国、海外ではと引き合いに出して物事を述べる傾向の人の意だそうです。私の拙文がこれに当てはまらなければ良いのですが、好むと好まざるとに関わらず、在外生活が続いているので自分にもそういう傾向があると感じています。先日のちょっとした出来事がここ数年の所感と重なったので少し書いてみたいと思います。
日本に帰国した時医者にかかり、受付の横の椅子に座っていました。ひっきりなしに患者さんはやってきますが、挨拶をするのは受付の女性だけです。日本にいた時はそれほど気に留めなかったのですが、この時は不思議な光景に映りました。在外前も挨拶、もしくはお願いします、を言うように心がけてはいました。それは夫の影響イコール夫の家族からの影響です。例えば日本のスーパーマーケットのレジで「いらっしゃいませ、こんにちは」に対しての返事はしないかも、という空気はわかります。スペインに限らず欧州で、お店に入る際やレジでの挨拶はこちらの習慣かもしれません。ですが、この地で暮らしていてそれを無視したり、エレベーターなどで住民と挨拶を交わさないのはまず変な人に括られると思います。


前回の備忘録に、日本で働いていた時の上司との旅について書きました。スリに注意する事と基本の挨拶、こんにちは、やあ!の意のHolaがなんとなく言えなくても、ありがとう・graciasとお願いします・por favor(please)だけは言葉が出来なくてもそれだけで印象が違うから、と強くお願いしたつもりでした。私が一緒にいる間は対外的な事は他力本願だったのかもしれませんが残念ながらこれらの言葉はほとんど聞かなかったように思います。酷かったのがバルでグラスを上げて、おーい、おー、と、雰囲気で飲み物を頼んだ時があり正直この時は恥ずかしかったです。
元上司が特別変である、とは思いません。今年の夏ブルゴスの修道院に行った時のガイド付きツアーでも日本人ご夫婦の男性は私にはとても失礼な人に感じられました。日本スタンダードがどこでも通じるとは思ってはいないのでしょうが、なぜ大して難しい要求でもないのに(アルファベット数文字)それができないのか。
私の勤めていた会社は有休を全部消化すると出世に響くと大勢が本当に思っていて習得しないのが当たり前でした。生理休暇の申請を希望すると、前例がないことを理由に、どうしても習得したいのなら申請して会議にかけるからと総務部長に言われました。元上司は定年後頻繁に海外へ出かけているようですが、在職中は平日に休みを取ることは後ろめたかった、と話していました。もしもっと以前から日本の社会が意味のない締め付けみたいなものをおかしいと感じて(おそらく感じてはいると思いますが)働き方について考えてみる、管理職や年長者の意識が変われば若い人にもそれは影響するのではないでしょうか。定年後に不慣れな外国に出て、こちらのスタイルを真似て、と言ったところで現実的には意識が伴わないのは仕方がないように思います。其の癖小難しいことは勉強していて知識としては何かと詳しかったりします。それよりも普遍的な挨拶ってどこに行っても基本は同じではないのかな?長時間労働の問題然り、結局日本の場合どこに問題があるのでしょう...。