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備忘録/ Memorandum

【GlobalismとLocalism】

*画像は拡大できます。
難しいタイトルを打ってしまいましたが、難しいことは書けませんので...10月末にポルトガルに行く機会がありました。その時私なりに感じたことを書いてみようと思います。
ポルトガルと言っても、Bragança(ブラガンサ)という北東に位置する町でスペインとの国境近くに位置します。そこを選んだ理由は、日本で働いていた時の上司がご夫妻でスペインに来ることになり、場所選びで私がZamora(サモラ)を提案したところ、ポルトガルがサモラから割と近いということからブラガンサに行こう、ということになったのでした。初スペインでサモラ選択はマイナーではありますが、ご夫妻の滞在も長かったので後に王道ルートが控えていました。サモラから車を借りて約1時間半ほど。道を間違えて新市街を通りましたが、新しい集合住宅も多く、想像していたよりも大きめの町でした。
ブラガンサはポルトガル最後の王朝、ブラガンサ朝を輩出した場所でもあるそうで13世紀のお城も残っています。旧市街はコロニアル風というのか古い建物が多く、それらは殆ど手入れをしている感じがなく、年月を経てしまった感がありました。驚いたことをいくつか。バルに入ると、?久しぶりのこの感じは?と思うと室内で喫煙が可能のよう。同行した友人が喫煙不可の店は張り紙があったとのこと。夜のレストランでここでしか飲めないというビノ・ベルデを1本頼み、それぞれ肉や魚のメインと前菜にサラダともう1品、4名で合計55ユーロ以下でした。量も多くお腹いっぱいで、デザートはパスしましたがそれにしても安いです。町のレストランの外のメニューを見ましたが、だいたいどこも同じ値段と内容でした。


ブラガンサで宿泊したホテルがとても素敵で、もし機会があればまた行きたいくらい、インテリアも各部屋の見せ方というかコンセプトも素晴らしかったです。1639年の建物を改修してあるそうです。
うち半日はスペインのサナブリア(Puebla de Sanabria)という村へ。ここは湖が近くにあるとても景色の良い場所で、ブラガンサから自然公園の中を通り、かなり曲がりくねった道でした。紅葉がまだ始まった頃でそれほど寒くもなく助かりました。サモラではいつものようにロマネスクの教会巡り。小さな町に小さな教会がまとまっていると思っていたのですが、周りきれないと思い半分諦めました。大きな川があり、雰囲気のある素敵な街でした。
人を乗せて運転したり、歳上の方との旅行でいつもとは違う疲れ方もしましたが、帰宅して夫にポルトガルは飲食店でタバコ可だよ、というと、薬物も基本取り締まるのを止めたのだ、と聞きました。夜に入ったバルでちょうどレアルマドリードの試合をやっていたのですが、店にいた若者達はどちらかというとスペインの勝敗はどうでも良い、といった感じでした。ポルトガルもユーロ圏での債務危機が伝えられていますが、スペインに迎合することなく国を守り通していることに、過去の王制復古戦争の歴史を思ってみたり。ホテルの人も家族経営なのか、若い子のスペイン語は流暢でした。文字だけ見ていると本当にスペイン語によく似たポルトガル語も口頭では全く違う言葉だ、と当たり前ですが感じたり、食事が安いとは聞いていましたが、スープ1皿1.5ユーロは実物を見ると余計驚いたり、スペインの田舎に行くのとはまた違ったものを感じて帰ってきました。世界のグローバリズムの勢いは今後一層進むのでしょう。ローカリズム(のような)を尊重しているのか、ただ幸せ(そうに見えました)だけれど少し貧しい(全体的な雰囲気)のか、特にこの旧市街地のご老人方は私たちアジア人観光客に対してとても親切でにこやかでしたが、考えること多しの旅でした。
Solar de Santa Mariaポルトガルのホテルです。