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備忘録/ Memorandum

【2016夏 8月:Cantabria再訪、至福のロマネスク-その2】

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近所のチーズ専門店にAsturiasのクッキー(スペイン語ではgalletaと呼ばれます)を売っているお店があり、すごく美味というわけではないのですが好きな味でよく買います。例えばフランスに数多あるそれらや、イギリスのWalkersも好きですが、Asturiasのそれは少し違って素朴な味と言えば良いのでしょうか。スペイン唯一のデパートにも美味しいAsturiasブランドがあり、お土産にも喜ばれます。スペイン国内で酪農が盛んな所以です。
イスラム教徒から国土奪還したレコンキスタはAsturiasから始まったと言われています。N-621道路をDeva川に沿って進むその道は場所によってはかなり険しい岩山の間の細いカーブ続きの道で、ムーア人がこの地を征服するのを諦めたというのがわからなくもないようなそれはすごい場所でした。


途中の村のバルで休憩しながら(隣にパン屋が併設されていて、ここで買ったgalletasも美味しかった!)たどり着いたのが山の中腹にあるPiasca(地名)のSanta María la Realという教会。この辺りはPicos de Europaという険しい山々が連なる辺りで、Asturias,Cantabria,Leónの3州をまたいでいます。この日はもう一つ、周辺の教会の中でもとても重要とされてきたSanto Toribio de Liébanaへ。建物はロマネスク式ですがとても大きく、かわいらしい彫刻はありませんが、キリストが磔刑に処せられた時の十字架の聖遺物があること、その昔修道院長の書いた黙示録がベアトゥス写本として有名であるという非常に徳が高い修道院だそうです。
今年巡った場所はガイド付きの教会が多かったのですが、面白いなと感じたことがいくつか。その1に書いたBareyoの教会の入り口には樫の類の大木があります。同じ木は周辺Castañeda教会の入り口にもありました。鍵を管理している人の話では、この辺の木ではなく、Indianoという大陸に出稼ぎに行って成功した人が持ち帰ったものかもしれない、とのこと。現に祭壇を寄贈していたり、その色使いはメキシコ式だったりするそうです。まだまだ行きたい場所はたくさん。見て小さなことを知るのが何よりも楽しいです。