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備忘録/ Memorandum

【2016:夏 Campisábalos村というスペインの超内陸】

ロマネスクの教会を見てまわるには車でないと行かれない場所が多いのですが、辺鄙であればあるほど山道を越えてやっとたどり着き、その佇まいを見た瞬間これを見ることができてよかった、という嬉しさに変わります。先日Guadalajaraという県にあるCampisábalosという村に車で出かける機会がありました。この村に行く主たる理由は、空気が世界で3番目にきれいだということ。付近にも良い教会があるしどんな感じか行ってみないとね、という嬉しいお誘いがありました。調べてみると人口60人、2016年WHOの調査でフィンランド、カナダについでこの村が出ていました。
当日マドリードからの道はすでに自然渋滞。無理もない7月の第1土曜日は早速バカンスに出かける人々の車でいっぱいでした。途中Segovia県を通りましたが、Guadalajara県はCastilla-La Mancha州に含まれます。ドン・キホーテの舞台となった風車の景色はこの州なのですが、Guadalajara県は風車の景色より北側に位置します。いずれも超内陸です。
 

Campisábalosは小さいながらも観光に力を入れていく雰囲気があり、村の入り口にはまだ新しい建物にバルと奥にきちんとしたレストラン、宿泊施設、村の歴史の映像や展示物がある小さな博物館も併設されていました。教会を案内してくれたご老人の説明もとても丁寧で、この教会に誇りを持っていらっしゃることが伺えました。
この壁の彫刻は、1年の農作業を表す農耕カレンダー。この旅で別の教会の扉の周りに施された1年の彫刻も見ることができましたが、こんな風に壁にあるものは初めて見ました。Leónのフレスコ画の農耕カレンダーは有名なのではないでしょうか。
ピンク色の教会はSanta Coloma。この教会は周囲の民家からも離れていて、野原の真ん中にポツンと建っていました。窓に面した彫刻も綺麗にその形を残しており、裏側の祭壇部分を見たときは思わず声が出ました。
最後にもう一つ教会を見てマドリードに戻ってきたときには夜11時。その日はプライド・パレードの真っ最中で、主要な通りが封鎖されていたのでなかなか家にたどり着かなくて付近をぐるぐる...。この近辺にAtienzaという重要な村があるので、次回はここに行ってみたいと思います。
Campisábalos市役所教会の詳細な説明や映像もあります。