フランス

パリは遠い

 

ロワール渓谷のCheverny・シュヴェルニー城

 

2021年の12月と2022年の2月。

Orchestre de Paris(パリ管弦楽団)、Daniel Harding 指揮のコンサートに行って来ました。

今思い返しても、なんて贅沢な時間だったんだろうと思います。

パンデミックで中止になった2公演のチケットのバウチャーを使い、冬の面倒な時期に立て続けにあったコンサートでした。最早追っかけなので、うきうきして出かけた…は嘘です。パリに一人で行くのは毎回憂鬱です。スペインに慣れきってしまったのもあるかもしれませんが、街に不慣れな事と一番は人かな…と思います。スペイン人と比較するとフランス人が冷たいと感じるのは否めません。

2019年の同じ頃にベルリンフィルとの御大のコンサートに行って、帰りにポルトガルで足止めをされて以来のクラシックコンサートでした。パンデミックの間はストリーミングサービスが充実していましたが、生の演奏は骨身に滲みる…温泉のよう(笑)。12月のパリは到着した翌日が交通ストで、しかも更年期(の歳!)の影響か、緊張のせいか、昨今稀にみる体調の変化。あんなに苦労したのは初めてかもしれません…トイレ事情とかいろいろ。這々の体で目的地に辿り着きました。

 

2022/02月のシューマンのピアノコンチェルト演奏後 Hélène Grimaud

 

 

12月のコンサートは、Renaud Capuçon のヴァイオリンでエルガーのバイオリンコンチェルト。偏見ですが、この曲はディズニー音楽みたい、不思議な曲だと思います。イギリス人作曲家の曲をイギリス人指揮者が振る。どんな演奏になるのか非常に楽しみでした。

興奮しすぎて、ホールの会場前にとっくに着いていて、会場と同時に入ったところ、同じくうろうろしているマダム。ちょっとだけ会話しました。彼女はバイオリンのルノーさんの追っかけでした(笑)。前日も来ていて(2日間の公演)、どこかで行われたサイン会で一緒に撮った写真を見せてくれました。羨ましい!!彼女曰く、チェリストの弟さんの方が露出が高いのは、彼はちょっと歳をとっているから、と内緒話をするように話してくれました。息子さんが日本に旅行に行って、とても楽しかったと話していた、とも。こういうちょっとした出会いと同士みたいな人がいることに心強さを感じました。私たち追っかけよね!きゃ〜!文字通りこんな感じ。きっとまたどこかのコンサートでお目にかかれると思いました。

この日はブラームスの合唱があり、子供達も混じった大編成でした。クリスマス前にぴったりのプログラム。エルガーはやはり曲全体が不思議だなーと思いましたが、非常にきらびやかな音で、毎回すごいものを見せてもらった、と帰りは放心状態に陥ります。

2月は12月を超えるような、私にとっては期待大のプログラム。シューマンのピアノコンチェルトをフランス人女性ピアニストのHélène Grimaud. ブルックナーの交響曲7番でした。相当楽しみにしていたのですが、今思い返すとブルックナーの記憶があまり無い。このピアニストを今まで知らずにいましたが、しっかりとした軸がある方で非常によかったと思います。良くも悪くも、フレンチぽさを感じました。毎回一人で旅をするのは最後にしようと思うのですが、またこうしてコンサートに来てしまうのです。あー幸せです。