スペイン

唯一のデパート

 

56-1
マドリードの思い出深い店舗のクリスマス飾り

旅先でスーパーマーケットに行くとわくわくしますね。

日本で高額で売られている食材の現地価格に、わ〜!と舞い上がったり、見当もつかないような食材をあれもこれも試してみたくなったり。

言葉がわからなくても、パッケージに書いてある絵で内容物をおおよそ想像できたり、売り場の分類で勝手に判断して…そしてたまに大失敗します。未だに毎日が成長と防御の連続です。

スペインに来た当初滞在していたホテルのすぐ近くにデパートがありました。スペイン的最初の洗礼はこのデパート地下のスーパーマーケットでした。当然のことながら会計で数字がわからないのはよろしくない。スペイン人全般のあの早口に、何…?怒っているの?と不安に思ったり、rの巻き舌にみんな江戸っ子みたいだ…とか。今でもおばさんに、¡Dime! と言われると構えてしまいます。今支払いは殆どカードですが、当時小銭を出すことは不可能でした(笑)

*Dimeは命令(依頼)形で、なんでしょう?的な意味ですが、直訳すると私に言って!なので脳内で勝手にそのイメージを当てはめています。

 

56-2
このデパートのおもちゃ売り場で誰が買うのか?高額な自社プラモデル!?

 

スペイン国内にデパートは1社しかありません。国営企業のような独占状態で、特にマドリードの中心部は数キロ以内に何件もあります。犬も歩けばなんとやら。地下に食料品売り場があるこのデパートが私は大好きです。店にもよりますが、非常に昭和な感じがして、ちょっとダサい…と思っていました。10年くらい前は、店員が4,5人くらい集まって、ずーっと喋っているとか普通の光景で、最近はさほど見かけない?と思っていたのも束の間。パンデミックという未曾有の危機を経験して人が来なくなって暇なのか、再び元の習性に戻っている気がします(笑)。台所用品や日用品の品揃えも楽しく、各種グラスのセットとか、安くて普段使いに良いと思います。

今住んでいる島にも、もちろんこのデパートがあります。

食品売り場で、同じ商品3個買うと2個目、3個目は半額とか75%引きと言うキャンペーンがあります。観光客はあの仕組みがよくわからないのか、何度それについて聞かれたか?と言うくらい、本土でも、ここでも。

売り場をふらふら歩いていると、ちょっとこれはどう言う意味だ?と呼び止められます。例えば観光客が1リットルのオリーブオイル3本も要らないですよね。そこへ現れた奥さんが、3つも要らないわ!と言います。当然だと思うのですが、質問したおじさんは私の顔を見て困ったね…と言う顔をします。私も困ります。

ワインを6本くらい買って、4本目以降も半額になると思ったのか、レジのおばさんもスペイン語でしか説明しない。ワインの客も列の2組くらい後ろにいる私の顔をわざわざ見て、何を言っているのか?と肩をすくめてじーっと私を見つめる(ワインのおじさんは、私が会計を終えたとき、再び店に入って行くのを見ました。仕切り直しでしょうか)。

おそらく私の外見がアジア人(外国人)なので気軽に?英語で声を掛けてきたのでしょう。

 

56-3
クリスマス名物のからくり仕掛け。毎年違う飾り。今もやっているのでしょうか。

 

今日は8月31日。過去に何度もこの日のデパートの食品売り場にわざわざ出かけて行きました。当時は歩いて3分くらい。夕方行くと休暇帰りの家族が立ち話をしているのをあちこちで見かけました。¡Hola! やあ!から始まって、どこへ行って来たとか、休暇がどうだったかと大きな声で、場所を問わずやりとりしている人をすり抜け、そしてすれ違いざまに会話を聞きながら、夏休みの最終日を体験するのです。もの好きです。しかしそれはなかなか良い風景だったと思います。買い物を終えて外に出ると、日が短くなって、明らかに空気が違っていることを感じます。ヨーロッパは新学期の季節を迎えるのです。でもまだまだスペインは全体的に暑くて、世界はパンデミックなのです。次もこれに準じます。