フランス

夜を垣間見る

 

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こういう感じの花屋さんは島には無いので、いいなぁと思って見ます

 

パリに行った続きを少し書いておきたいと思います。

パリだから…に尽きるのかもしれませんが、苦労したことから。

オルリー空港に着いてすぐ一晩泊めてもらう夫の友人に連絡すると、予定を変更してバスに乗れ、という指示。友人のお母様が詳しく道程を説明してくれたのですが、頭はもうパニック。バス停はどうやら違うターミナル、バスのシステムも以前に乗った時と様子が違う…結局無賃乗車しました。事前にSMSを送るらしい?未だに理解できていません(笑)。2ユーロを手に持って運転手や乗客に私のチケット代わりに買ってください、と乗客に話しかけ続けましたが、一同に首を振るだけ。よほど哀れに見えたのか、途中から乗ってきた男性が説明してくれましたが、もうそこは降りる場所。運転手も何も言わず…と言うか無視。でも乗せてくれてありがとう…そこからトラムに乗り、指示された駅で待つも、友人は駅を間違えて遅れてやってきました。もうそれだけでお腹いっぱいへとへと(笑)。

のっけからフランス式洗礼は、空港でバス停の場所を聞くも、迎えの客待ちタクシー運転手の若い男性に聞いたものだから、お家芸か?って感じの歪曲表現から始まり、最後に je suis désolé. 最初にそう言って知らないで良いのに。こういうことはスペイン人相手には起こらない。バスの乗り方、変わってたよ、と言うと友人も、そうそう!最近変わったんだ、と。何故教えてくれないの〜(泣)。

翌日はストでRERを避けて、トラムで移動。歩くより遅いのでは?というレベル。予約していた電車には数分のところで間に合わず。代替輸送のバスに乗ったり、トラムに乗り換えたり、紆余曲折ありましたが、目的地に無事着いたのはやはり現代だから?

 

 

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手前奥がキッチン、2階の小屋裏が寝室でした

 

毎度の一人旅。今回は夫の家族がgîteという宿(たまたま隣がそれだった)をとってくれたのですが、ここが一人で泊まるには勿体無いくらい素敵な家でした。ロマネスクの聖堂に連れて行ってもらったり(私のリクエスト)、アメリカ人がフランスで自力で建てた凄い家(表現力の無さ…)に招待され、ハイテクハウス!!に久々に感動したり、毎日美味しいもの三昧でした。こうして考えるとスペインでの食生活の日々とか、アナログな住環境って何なのでしょう?スペインのピソの一部の窓枠は未だ木です…

さて。標題の「私が垣間見た夜」パリの夜です。

今回の旅に出るにあたって、夫から、良い場所に泊まること、を強く言われました。6区、7区あたりの賑やかな場所にあるホテル、値段も場所の割に安いところは避けること。私にしては久しぶりに良いホテルで、場所も申し分なかったのですが、コンサートの会場から離れているので、帰りのメトロの一つの終電に12月と2月、2回とも間に合わず焦りました。乗り換えの通路が南京錠で閉められていて軽く絶望。同じく乗れなかった子が私のルートを調べてくれたり、2月の時はアジア系の若い女の子に話しかけて、聞いている最中に電車のドアが閉まって会話が中断され、Good luck的な感じで顔で挨拶。すごく感謝。

12月の帰りは合唱に参加した子供が数名、お迎えに来た父親らしき男性と4人一緒に電車を待っていました。反対側のホームのど真ん中で上半身裸のスリランカ?パキスタン系?の若い男性が何か叫んでいる。こちら側のホームでなくて良かった…と思いましたが、スペインではなかなか見ない光景です。乗り換えで歩いている最中、何処かから現れたホームレスと思しき男性と何人かすれ違いましたが、彼らは一人でぶつぶつ、通行人に向かって何か言っていました。これもあまりスペインでは経験しないこと。スペインの同様の人々は一人で騒ぐ程度で、周囲の人に向かって何か言って来ることはほぼ無きに等しいように思います。そして彼らは身の回りの荷物を持って(自転車も)人目を避けて。夜に出没するのは当然かもしれません。パリの夜はマドリードや島(一応諸島では大きな街ではありますが)の夜と少し事情が違う。怖さを感じました。

乗り換えて意地でもメトロで向かうより、待ち時間を考えたら歩いたほうが早いと思い、セーヌ川を渡り、オデオンの方向へ歩いて帰りました。途中男性に支えてもらってヒールの足を押さえているカップルがいたので、大丈夫ですか?バンドエイドありますよ?と話しかけると、大丈夫!シネマだから!と笑っていました。ほろ酔いカップルにこちらも気持ちが軽くなり、通りに入るとまだ賑わっている飲食店もあって安心しました。

それでも最近、若い子と話したり、彼らの体験を聞くと少し心配になります。

それらの出来事は、たまたま何事もなかったから良かったものの、夜は基本的に危ないということを余り認識できていないのかな、と思うことが多々あります。この前は、モロッコに女の子が一人でテントで旅行すると聞いて、耳を疑いました。夜は基本的に一人で外出しない、出ることがあっても行動には気をつける。慣れているとか勝手知ったるでも危険と隣り合わせなのです。

大分前ですが、パリの地下についてのarteの番組のYouTubeを見たことを思い出しました。

夫も、パリ はね、地下が面白いんだよ、と以前から話していました。キノコを栽培する場所、迷路のように繋がっている地下通路、でもそこで迷ってしまったらどうなるのか。言わずもがなカタコンブ。何となくの記憶ですが、辻仁成さんのブログに、道を歩いていたら地下から人が出て来た、というような内容を読んだ記憶があります。もしかすると地下に住んでいる人だったのかな、とこの番組を見て思いました。↓ よろしかったら是非!